手術室看護師には、外回りと器械出しという役割がある。外回り看護師は、術前、術後の訪問、物品チェックや補充、バイタルチェックや体位変換、術後の申し送りなどを行う。そして、器械出し看護師は、医師の傍らでメスやハサミなどの器具を渡す役割を果たす。医師が看護師に対し「メス」と言うと、看護師がサッと医師にメスを渡す場面はドラマなどでおなじみだ。
手術室看護師、特に器械出し看護師の仕事は、手術の時間、精度を大きく左右する部分だ。器械出し看護師にとって大切なポイントの1つめは【手順を覚えて準備する】ことだ。複合手術でないものの場合、外科の手技は定型的であることが多い。「どのタイミングで何を出したらいいか分からない」となると、手技が一歩遅れてしまう。なので、手術の流れをしっかり勉強しよう。
2つめのポイントは【機材を覚える】ことだ。手術機材を覚えれば、タイムラグをなしに準備できる。機材を覚えていなければ、機材を探すのに時間がかかる。医師の手技のリズムを崩さないために、機材を覚えることは必須だ。
3つめは【医師が望むものを出す】ことだ。医師が何を求めるか予測し、準備をしておかなければならない。その場に準備しておかなかったからといって、別のもので済ませるというわけにはいかない。医師が求めるものを予測し、医師の言葉一字一句に注意して聞きとらなければならない。
この3つのポイントは手術室看護師の基本であり、この3つが出来ないと問題が起こるうえ、看護師として成長することはできない。